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05/07/2004

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International Herarld Tribuneの5月7日付けの論説より。Hakan AltinayとAryeh Neierの見るところによれば、トルコはEUに加盟するための多くの改革を既に行ってきており、この事実をEUはきちんと評価すべきだと言う。

トルコ政府はこれまでに、死刑制度を撤廃し(それがクルド人リーダーへの死刑執行の停止を意味するにもかかわらず)、公判前の拘束制度をやめ、また報道や出版を規制していた法律を撤回した。さらに、南部に恒常的に出されていた非常事態宣言も25年ぶりに解除され、ヨーロッパ人権裁判所の法学(jurisprudence)を受け入れ、さらには国防省や国防大臣のこれまでの権限を縮小し、予算面でも教育へのより重点的な配分を始めた。

もちろん、改革はまだ十分に進んでいるとは言えないが、EUはトルコによって成し遂げられたことを誇りにすべきであり、12月に正式な加盟交渉を始めるかどうかを決める会合で、加盟の見通しに合意するべきである。また、先延ばしにするのであれば、きちんと今まで成し遂げられたことを評価するべきである。

そういった支援がなければトルコの改革は止まってしまうだろう。


トルコの加盟問題は常に問題であり続けていて、この論説でも言及されているような、EU内部からの反対の声は大きく取り上げられる。その一方で、日本にいるとトルコがどのような努力をしているのかは、見えにくく、結局、何だか「文化摩擦」を見ているだけになってしまう感じだ。という訳で、この論説の例示はとても面白かった。

特に、死刑制度の廃止に踏み切ったのは、結構大きな一歩なのではないだろうか、という気がする。ヨーロッパはその是非は別にして今は死刑制度には基本的に反対の立場を取っているはずだし、「人権問題」を重視するので大きな得点になると思う。

しかし、他方でEUをどのように位置づけるかはまだ議論が分かれているので、トルコがすんなり加入するかどうかはまだ判らない。多分、トルコが加盟する日がEUの拡大の終わる日なのではないかとは思うが。

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Kommentare

どうなんでしょうね。>トルコの改革

これまで連立与党の内閣だったのが、一昨年の選挙で大勝した現与党が単独で政権を握って、物事が進めやすくなっちえうわりと経済も安定しているし、法改正も進めやすい状況にはなっていますが。
ただ、今の政権にせよこれまでの政権にせよ、自分が政権を握っているときにEU入りを決めたがっているというか、
EU加盟が国是と、とにかくなっていて、そのための議論をきちんとしてないような印象もあります。入るためにはなんでもしてるんだけど、あとのことまで考えてるのか、少し疑問です。

Kommentiert von: 笛吹き | 05/07/2004 um 22:05

確かにどうしてトルコがEUに入りたいのだろう、という疑問はありますよね。それほど大きなメリットがあるのでしょうか。観光業には有利そうですが…

昔、在東京トルコ大使館の方に直接「EUなんかに入らずに周りの国と自前の地域連合を作ったら」と訊いたら、なんだか良く判らない比喩でかわされました。曰く、「周りの国は、ほら、まあ言ってみたら少女みたいなものだから。結婚したら、問題あるでしょ(ニヤ)」…この謎は解けることなく、彼は帰国してしまいました。

Kommentiert von: かも@管理 | 05/08/2004 um 20:48

その比ゆは、バルカン半島の国も含めて、
近隣ではトルコが一番発展しているということ
じゃないかな。

19世紀以来、名実ともにヨーロッパの一部に
なることはあの国を支えているエリートの悲願
という気がします。

名実というのは、トルコからみた言い方で、
ヨーロッパからするとEUいりしてもヨーロッパなのは
名だけなのかもしれないですけど。
とにかく、トルコの一部の知識人層にはトルコは
実質的にはヨーロッパなんだけど、
イスラムなどの理由でヨーロッパから他者扱い
されてきたという考え方が強いようにもみえます。
このあたりものすごく大雑把な話をしてる
のは忘れないで。

Kommentiert von: 笛吹き | 05/08/2004 um 22:08

なんか「文化摩擦」的観点からの書き方してますねえ。
(大汗)

Kommentiert von: 笛吹き | 05/08/2004 um 22:10

エリートの悲願…「脱亜入欧」。笑ってばかりもいられないのは、
自分の専攻がその範疇から抜け出していない、と言われた時に
なんとなく弱いからかも知れないです。

しかし、多分、典型的ヨーロッパにある国々だって、何をもって
自分たちが典型なのか、本当に理解しているとは思えません。
極端な話、右と左がヨーロッパだったら可、みたいな感覚もある
かしらん、と思ったりして。

ちなみに、チュニジアでしたっけ、地中海の反対側から「入り
たい」と手を挙げてる国もありますよね。「カルタゴで宜しく」
とか…?!

Kommentiert von: かも@管理 | 05/09/2004 um 21:00

何をもって「ヨーロッパ」とするのか、
欧州のなかでもかなりかわってくるだろうし、トルコの考える「ヨーロッパ」ともだいぶ違うのではないかと考えるのですが、どうでしょう。

チュニジアがEU入りを目標にしているのは知らなかったけれど、EUは「文化」を使って、地中海地域との政治・経済の連携を強めたい方針であるようです。トルコとヨーロッパとか、チュニジアとヨーロッパより、「ヨーロッパ」と「地中海」の関係の問題でとらえることができるかも。

Kommentiert von: 笛吹き | 05/10/2004 um 23:14

その場合の「ヨーロッパ」には「地中海」は入らない概念になっているわけですね…。でも、その線引きもやや難しそうな気もしますが。

Kommentiert von: かも@管理 | 05/11/2004 um 19:06

ん~と、説明が足りなかったのですが、たぶん「ヨーロッパ」と「地中海」に重なる部分があるから
「文化」というか、"common heritage"みたいな考え方
がでてくるのだと思ってます。

Kommentiert von: 笛吹き | 05/11/2004 um 21:41

トルコはそうすると、「"common heritage"は持つけれど、家族的な「ヨーロッパ」じゃないよん」というスタンスで扱われることになるのかしらん。

いずれにせよ、避けて通れなさそうなので、注目してます。

Kommentiert von: かも@管理 | 05/17/2004 um 11:08

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